活動の背景
2025年度問題を目前に控え、介護の担い手不足が懸念される。政府の方針としては、地域で元気な高齢者を発見し支えあう、生活支援ニーズの充足を第一課題としている。
一方、多くのLGBT’sにとって「地域」は積極的に関わることが少ない集団である。法による生殖家族を形成しないことから、家族を介した近所付き合いの機会も乏しい。また、同性カップルとしての生活を明らかにできないご近所付き合いは、周囲や統計上からも単身者扱いとなる。地縁・血縁が乏しく、ご近所同士の付き合いもない単身者は、要介護状態になると、容易に支援困難事例となり得る。人間は必ず介護と医療を必要とする時がくるが、LGBT’sを要因としたトラブルも起こっている。アウティングせずにサービスを使うことは、一面として双方の不具合も生じる。
対策として第一に、セクシュアリティを理解する医療介護従事の当事者と、相談希望者が顔の見える関係を作る。対象の現在からの生活背景を知ることで、将来の支援導入をスムーズにすることが期待される。医療・介護施設サービスを利用する際は、対象の代弁者として、LGBT’sのQOLが尊重されたケア、を受けることができるように支援を行う事を目的とする。